散▽巡 - 旅路

散▽巡

旅路

散▽巡

旅路

  • release date /
    2026-01-23
  • country /
    Japan
  • gerne /
    Alternative Rock, Ambient, Grunge, Post-Rock, Psychedelic Rock, Shoegaze, Slowcore
Light
Dark
Soft
Heavy
Clear
Noisy
Slow
Fast
Pop
Extreme

大阪のシューゲイズ/オルタナティブロック・バンド、散▽巡の2nd EP。

2023年3月26日結成。本作の制作メンバーはぺん(ギター/ボーカル)、あかね(ギター)、しま(ベース)、神崎渚(ドラム)の4名。

全6曲を通して、散▽巡の表現の幅はさらに広がった。繊細な静寂と轟音のコントラストが堪能できる楽曲が増え、サウンドは一層スケール感を増した。心の機微を丁寧にすくい上げる歌詞もそれに呼応し、散▽巡ならではの世界観を形作っている。

散▽巡『旅路』各曲レビュー

#1 “乖離”

冒頭から脳に電流を流し込むようなサイケデリックなギターノイズが炸裂する。ぺん氏の囁きと熱を帯びた叫びが交錯し、享楽と破滅が隣り合わせの危うい世界へと引き込んでいく。

#2 “青藍”

繊細なパートと重厚な轟音の対比が、揺れ動く感情の奥行きを描き出す一曲。生々しい感情をまとう「痛い」のリフレインも印象的で、あかね氏のソングライティングが光る。

#3 “祈り”

ダウンテンポでポストロック的なスケール感を描く一曲。喪失感を吐露するボーカルが終盤に向かって熱量を増し、最後には天へ捧げる祈りのように美しく響き渡る。

#4 “夢路”

夢と現実の境界を曖昧にする幻想的なインストゥルメンタル。束の間の安らぎをもたらす一方、踏切のベルが不穏な余韻を残す。

#5 “歩虚”

2024年からライブで披露されてきた楽曲が待望の音源化。葛藤を抱えた歌声が胸に迫り、終盤は轟音による鮮烈なカタルシスをもたらす。ちなみに曲名は「ほきょ」ではなく「ほうろ」。

#6 “水葬 (feat. ヤマモトジュンキ(ヨツドメノディ) & 星来(ヨツドメノディ))”

ヨツドメノディのギタリスト、ヤマモトジュンキとボーカリストの星来を迎えたコラボレーション。水中を漂うような神秘的なサウンドスケープの中、ぺん氏と星来によるツインボーカルが美しく溶け合う。リリースイベントでは、この編成でのパフォーマンスも披露され、音源以上に熱を帯びた美しい歌声の応酬が繰り広げられた。

散▽巡の美学である、心の機微を丁寧にすくい上げる歌詞、感情の起伏を鮮やかに描くボーカル、そして静寂と轟音を自在に行き来するダイナミズムが高い次元で結び付いた力作。日本のシューゲイズシーンでも独自の存在感を放っており、強烈な個性ゆえに好みは分かれるかもしれない。しかし、その世界観に共鳴したリスナーにとっては、抗いがたいほどの魅力を持つ作品といえる。

本作リリース後にギターのあかねとベースのしまが脱退し、現在はライブ活動を休止している。しかし、水面下では再始動に向けた準備が進められているもよう。散▽巡が新たな旅路へと歩み出す日を楽しみに待ちたい。