
Slow Snow Slide
THE EXHIBITION
Slow Snow Slide
THE EXHIBITION
- release date /2025-05-03
- country /Japan
- gerne /Alternative Rock, Gothic Rock, New Wave, Post-Punk, Post-Rock, Shoegaze
山形県酒田市を拠点に活動するシューゲイズ・バンド、Slow Snow Slideの2ndアルバム。
2016年に本格始動し、2019年に1stアルバム『paradise lost』を発表。メンバーチェンジを経て2022年に現体制で再始動し、約6年ぶりとなるニューアルバムを完成させた。
制作時のメンバーは以下の5名。(※リリース後、MASAKUNIは脱退)
- GOE(ボーカル/ギター)
- TAKEDA NATSUKO(ギター/ボーカル)
- YAMA(ギター)
- MASAKUNI(ベース)
- YOKOCHIN(ドラム)
1stアルバムでは、ポストロックとシューゲイズを軸にピアノやヴァイオリンといったクラシカルな要素を取り入れ、既存の枠に留まらない独自の世界観を打ち出した。バンド名は「緩やかな雪崩」を意味し、持ち味である壮大なサウンドスケープを象徴している。
『THE EXHIBITION』は、ロシアの作曲家ムソルグスキーによる『展覧会の絵』に着想を得て制作。トリプルギター&ツインボーカル体制を活かし、さらに重層的なサウンドへアプローチしている。インストゥルメンタルの“Promenade”を含む全7曲は、それぞれの楽曲が異なる情景を描きつつ、まるで展示室を巡るように展開していく。
注目曲ピックアップ
#2 “Drawing on the blank page”
ダイヤモンドダストのようなアルペジオと、吹雪のような轟音ギターが交錯しながら、ワルツ調にゆるやかに展開する。ツインボーカルの美しいハーモニーによる温かな叙情は、凍りついた雪原に朝日が満ちるような幸福感をもたらす。
#3 “Luzifer”
ゴス/ニューウェイヴの黒い血が匂い立つダンスチューン。冷たいトーンのギターと、GOEの艶のある歌声が妖しく絡み合う。ドラム連打&轟音ギターのアクセントも秀逸。
#6 “Nihilistic”
ツインギターが絡み合いながら、静と動を巧みに織り交ぜた起伏のある展開で魅せる。後半は一気にダイナミックな轟音を解き放ち、エモーショナルに歌い上げながら荘厳なクライマックスへ。随所に覗くキャッチーなギターフレーズにも彼らのチャレンジ精神が現れている。
#7 “Rasen Kaindan”
歪んだベースが地を這い、黒い波動を撒き散らすダーク・アンセム。ラストは轟音とともに絶叫が響き渡り、リスナーを暗黒の奈落へと引きずり込む。
曲ごとの個性が際立ちながらも、Promenadeを軸に世界観を共有する構成は、まさに『展覧会の絵』の現代的再解釈といえるだろう。
本作は現在CDのみでリリース中(サブスク未配信)。公式オンラインショップまたはライブ会場で購入できる。ぜひ現物を入手して、壮大な物語へと誘うイマーシブ体験を味わってほしい。
Slow Snow Slideは東北〜関東の各所を巡るリリースツアーを実施中。遠方のファンにとっては、彼らのパフォーマンスを体感する貴重な機会となる。ツアー情報は公式サイトおよびSNSでチェックを。