
Lockstep
I Know What I Saw
Lockstep
I Know What I Saw
- release date /2026-07-24
- country /US
- gerne /Alternative Rock, Doomgaze, Noise, Post-Rock, Shoegaze
テネシー州ナッシュビルのシューゲイズ・バンド、Lockstepのデビューアルバム。
Austin Rolison(ボーカル、ドラム)、Matt Schumacher(ボーカル、ギター、ノイズ)、Tanner Ihrie(ベース)の3名で構成されるLockstepは、シューゲイズを軸にドゥームメタルやポストロックの要素を融合。脳を揺さぶるほどヘヴィなギターと、シューゲイズ特有の夢幻的な音響を両立させている。
最大の特徴は、サイケデリックに歪んだギターと、荒々しいノイズの質感だ。閉塞感を覚えるほどの轟音でありながら、ギターは空間を埋め尽くすのではなく、波のように引いては押し寄せ、緊張と解放を生み出していく。その合間を縫ってリヴァーブの効いた淡く儚い歌声が浮遊し、轟音の中にもシューゲイズらしい幽玄さをもたらしている。SOMやtrauma rayにも通じるアプローチだが、その重量感は一段上をいく。
前作EPと比べると陰鬱さはやや薄れ、随所に温かく牧歌的なムードも漂う。しかし、闇が完全に晴れたわけではない。ダークなテイストはしっかり残されており、なかでも#4 “Soft Gauze Of Time”は、深い哀しみを帯びたボーカルと、それに寄り添うようにユニゾンするギターが重なり、徐々に熱を帯びながらクライマックスへと至る。本作のダークサイドを象徴する楽曲といえる。
ラストを飾る#8 “Return”は、明るく穏やかなムードで幕を開ける。しかし、サイレンのようなけたたましいギターを皮切りに、コンクリートの塊を思わせる無骨なギターが押し寄せ、終盤には荒れ狂う大海のような轟音へと変貌する。
ヘヴィネスだけで押し切るのではなく、静と動のコントラストによって轟音を際立たせる構成力と、緩急の効いた展開も光る。本年度のヘヴィ・シューゲイズを代表する名作の1つ。trauma rayやHoly Fawnのようなサウンドを好むリスナーには、うってつけの作品だ。
なお、今後はREZNとの北米ツアーも予定されている。ともにヘヴィかつ催眠的なサウンドを持つだけに、両者の組み合わせは実に相性がよさそうだ。
