
ASHN
Waves in Two
ASHN
Waves in Two
- release date /2025-10-03
- country /Indonesia
- gerne /Alternative Rock, Dream Pop, Electronic, Grunge, Shoegaze
インドネシア・バンドンのシューゲイズ・バンド、ASHNのデビューアルバム。
Puremoonの元メンバーを中心に2022年に結成されたZ世代の5人組。現在のメンバーはBryan Arkan(ギター)、Bryan “Popon” Pongtiku(ギター&ボーカル)、Nafisa Almira(ボーカル)、Rafi Azani(ベース)、Irfan Al Hafizh(ドラム)。2022年のEP『ASHN』リリース後、約3年の活動休止を経て、初のフルアルバムでカムバックを果たした。
バンド名はDIIVの楽曲“Acheron”の歌詞“ashen and dead-eyed”に由来し、検索性を考慮して「E」を省いた表記を採用したのだそう。
Spotifyのプロフィールに掲げられた “embrace sorrow only sadness is eternal”(悲しみを抱きしめろ、悲しみだけが永遠だ)が示すとおり、湿度の高いメランコリーが全編に漂っている。それに呼応するように低音の効いたヘヴィなサウンドが主体となっているが、メロディアスなギターと男女ツインボーカルの柔らかなハーモニーが破綻なく調和し、適度な浮遊感を生み出している。その結果として、近年のヘヴィ・シューゲイズと、クラシック・シューゲイズの高水準な融合に成功している。#3 “Waves in Two”、#4 “Serene”、#5 “In Circles” と続く前半から中盤の流れでは、その美学が最大限に発揮されている。
本作のハイライトは、中盤のサイケデリックな轟音インスト#6 “Weak”を転換点として、多彩な表情を見せる後半の展開にある。メランコリックでありながら、明るく開けたムードもあるサビが印象的な#7 “Falling, Fading”から、ドゥームゲイズ級のダークさで深く沈める#8 “Safe”を経て、#9 “Whirlwind”の嵐のような疾走感で一気に暗澹とした空気を吹き飛ばす。ラストの#10 “Endless”は同国のエレクトロ系アーティストFtlframeとのコラボレーション。チルめのブレイクビーツで轟音の余韻を静かに鎮めながら幕を閉じる。通しで聴いても聴き疲れしないのは、重厚さを保ちながら、絶えずムードとダイナミクスを変化させる構成の妙によるものだろう。
Sunlotus、Enola、Death of Heather、Terever、Slowwvesなど、急成長する東南アジアのシューゲイズ・シーンのエネルギーを感じさせる力作だ。WhirrやDIIVが好きなリスナーもぜひチェックを。
