
ネジティブパンチ
寂しい世界
ネジティブパンチ
寂しい世界
- release date /2025-12-23
- country /Japan
- gerne /Alternative Rock, Post-Hardcore, Post-Rock, Sadcore, Shoegaze, Slowcore, Spoken Word
仙台のスロウコア/シューゲイズ・バンド、ネジティブパンチの2nd EP。
2023年に仙台で結成。メンバーは長谷井佑香(ベース/ボーカル)、武澤由紀乃(ギター)、平舘涼生(ギター)、寺岡勇汰(ドラム)の4名。2004年度生まれの若い世代でありながら、そのサウンドはすでに独自の輝きを放っている。
サウンドの核となるのは、スロウコアの寂莫感、ポストロックやプログレのスケール感、そしてシューゲイズの轟音の組み合わせだ。スローテンポで緩やかに展開し、冒頭から終盤にかけて音の密度を徐々に高め、じっくりと没入させるアプローチが主体となっている。
EPの開幕を飾る“水中世界”は、ゆったりとしたリズムとアルペジオの揺らぎから始まり、ポエトリーリーディングによって日常の断片を紡いでいく。ボーカルが熱を帯びるのと呼応するようにノイズの壁が押し寄せ、歌声はいつしか激情へと変化し、過去への後悔と決別が叫びとしてこだまする。しばらくして静寂が戻ると、冒頭のアルペジオが再び現れ、悔恨の日々への回帰を連想させて幕を閉じる。
続く“驟雨”は、約4分のコンパクトな構成。軽やかなリズムに気を緩めていると、一気に轟音の渦へと放り込まれる。その青天霹靂ぶりはまさに驟雨のごとし。
ラストの“朝”では、再びバンドの本領が発揮される。真冬の景色が浮かんでくるような物寂しいイントロから、繊細に音を紡ぎながら細やかな感情を手繰り寄せていく。すると突如としてノイズが膨れ上がり、「寂しい世界 / 何もない朝」というフレーズが幾度もリフレインされ、ただ独り世界に取り残されたような虚しさが襲う。
冒頭数秒で即効性が求められるポップミュージックとは対照的に、長尺かつゆったりとしたテンポで心の奥底に手を伸ばし、孤独や疎外感をすくいあげる姿勢に、ネジティブパンチならではの確かな魅力がある。
