the florist - (a)estheticism

The Florist

(a)estheticism

The Florist

(a)estheticism

  • release date /
    2025-12-24
  • country /
    Japan
  • gerne /
    Alternative-Rock, Emo, Hardcore, Indie Rock, New Wave, Shoegaze
Light
Dark
Soft
Heavy
Clear
Noisy
Slow
Fast
Pop
Extreme

東京のオルタナティブ・ロック/シューゲイズ・バンド、The Floristの2025年作EP。

2012年8月の結成発表以来、シューゲイズを軸にポストパンク、ゴス、ニューウェイヴ、エモを巧みに融合してロマンティックなサウンドを磨き上げ、3枚のフルアルバムをリリース。バンド自身のディスコグラフィーだけにとどまらず、シューゲイザー・アイドルRAYへの楽曲提供や、声優・斉藤壮馬のソロアルバム『in bloom』(2020)収録曲“いさな”のアレンジと演奏を担当するなど、多方面で存在感を示している。現在のメンバーは今村寛之(Vo/Gt)、椎名洋輔(Gt/Cho)、須長英幸(Ba/Cho)、蛭間孝充(Dr)の4名。

タイトルのaestheticismは美しさそのものを最高の価値とする「唯美主義」を意味し、究極の美へ至ろうとする彼らの姿勢を、改めて強く印象づける作品となっている。

#1 “Sundown”は、凍てつくようなメランコリーをまとうヘヴィシューゲイズ。WhirrからWispへと連なる現代ニューゲイズの潮流に対する、The Floristからの回答といえる一曲。

#2 “Atlas”は本作随一のアップテンポなナンバーで、流麗なギターと透明感のあるボーカルが溶け合い、美しい流星となって天空へ一条の軌跡を描く。L'Arc-en-CielからThe CureやEditorsといったUKロックのファンまで訴求するレンジの広さが魅力だ。

#3 “Snow Eclipse”は、冷気を帯びたムードのなかでギターとボーカルがハーモニーを奏で、ベースが艶やかなフレーズで支える。中盤のブレイクからベースを起点に光輝をまとったギターが一気に放たれる展開は、雪解けとともに花が一斉に咲くような開放感を演出する。各パートが立体的な相互作用を生む緻密なアレンジと、優れたサウンドプロダクションが結実した本作のハイライト。

#4 “Enjoy the Silence”は、ゴス・ニューウェイヴ界のレジェンドDepeche Modeのカバー。原曲の妖艶なダンスグルーヴをThe Floristならではの視点でシューゲイズ風に再解釈している。まるでDepeche ModeとThe Cureが邂逅したかのような仕上がりだが、デビューEP『Middle of Winter』(2013)収録のThe Cure "Lovesong"のカバーを振り返ると、The Floristの美学が活動初期から一貫していることを改めて確認できる。

多様なジャンルの要素を自在に操り、徹底的に「美しさ」を追求する本作は、The Floristが今後も唯美主義の体現者であり続けるという力強いマニフェストである。

また彼らは、盟友COLLAPSEとともに合同イベント『corpuscular theory of light』を定期的に開催している。シューゲイズの枠に囚われず、多様なジャンルから共通の美学を持つアーティストを招致する姿勢にバンドのオルタナティブ精神が明確に表れている。ストイックな唯美主義者が放つライブならではの「熱」を体感しに、ぜひ会場へ足を運んでほしい。イベントの詳細はThe Florist公式サイト、またはXで随時チェックを。