the velvet eclipse - a garden full of lilies and sorrow...

The Velvet Eclipse

A Garden Full of Lilies and Sorrow...

The Velvet Eclipse

A Garden Full of Lilies and Sorrow...

  • release date /
    2025-10-31
  • country /
    US
  • gerne /
    Dream Pop, Emo, Indie Rock, Noise Rock, Post-Punk, Post-Rock, Shoegaze
Light
Dark
Soft
Heavy
Clear
Noisy
Slow
Fast
Pop
Extreme

サンフランシスコ発のシューゲイズ・バンド、The Velvet Eclipseの5thアルバム。

Haruka Sato、Yumiko Veil、そしてThe Misfortunatesの活動でも知られるCeleste Suekiの3名によって結成。ボーカルをHarukaとYumikoが担い、作詞・作曲・各パートの演奏からエンジニアリングまでをメンバー間で分担するDIY体制を貫いている。

前作『Withering away in the Garden of Eden . . .』の繊細で耽美なテクスチャーを継承しつつ、より強靭でエモーショナルな方向へと舵を切った。ドリーミーなクリーントーンとノイジーなギターが流星のような輝きを放ちながら、パワフルなドラムとともに駆け抜ける。エモやハードコアの強靭なフィジカルに、The Pains of Being Pure at HeartやExloversの煌めきをまとわせたような仕上がりだ。

サウンドの変化に呼応するように、ボーカルの比重もYumikoの繊細なウィスパーボイスからHarukaのエモーショナルな歌唱へと移行。艶のあるクリーンボイスと激しいスクリームを巧みに使い分け、楽曲のダイナミクスを際立たせている。また、アートワークも前作と同じ花園の構図を継承しながら、花々は黒百合へと姿を変えている。このように、サウンドとヴィジュアルの両面において、二部作として意図的に対照的なアプローチを選択したことがうかがえる。(筆者は『ガーデン二部作』と呼んでいる)

歌詞は日英バイリンガルで書かれており、悲しみ・死・喪失・後悔といった重い感情と英語詞の流麗な響きがユニークな対比を生み出している。メロディには深い哀愁が刻まれており、まるで黒炎が花園を焼き尽くすかのような劇的な印象を残す。どの楽曲もアニメのオープニングとして起用されても違和感がないほどのクオリティだ。その背景には、日本のアニメ、漫画、ゲームに精通し、Malice MizerやPlastic Treeを愛するCelesteの感性が色濃く息づいている。

シューゲイズ、J-Rock、アニソン、エモ、ヴィジュアル系の要素が高次元で融合した本作は、日米の文化交流が生み出した特異な化学反応といえるだろう。現在のジャパニーズ・シューゲイズのシーンに対しても、新たな視座をもたらす存在になりそうだ。

なお、前作にあたる4thアルバム『Withering away in the Garden of Eden . . .』も、女性ボーカルのシューゲイズ作品として高い完成度を誇る。作品の意図を深く理解するためにも、ぜひあわせてチェックしてほしい。