Embrium

Timekeeper

Embrium

Timekeeper

  • release date /
    2025-03-15
  • country /
    US
  • gerne /
    Black Metal, Blackgaze, Folk, Gothic, Post-Metal
Light
Dark
Soft
Heavy
Clear
Noisy
Slow
Fast
Pop
Extreme

サンフランシスコ拠点のブラックゲイズ・バンド、Embriumの1stフルアルバム。

現体制は、Mosahefu(gt/vo)、Jade Forsythe(vo)、Joey Menicucci(gt/vo/ba)、Ayani Hayashi(ba)、Matt Baird(dr)の5名。2020年のパンデミック下、MosahefuとJade Forsythe、Joey Menicucciによるコラボレーションをきっかけに始動。2021年のセルフタイトルEPを経て完成した本作は、時間や喪失、魔術性、自己探求といったテーマを描く、物語性の強い作品となっている。

ブラックメタルの激しさとシューゲイズの浮遊感を巧みに融合し、そこにフォーク由来の哀愁を帯びたメロディを重ねることで、単なる轟音に終わらない奥行きを生み出している。Mosahefuの透明感あるクリーンボーカルとJade Forsytheの鋭いスクリームの対比も印象的で、Sylvaineを連想するリスナーも少なくないだろう。

注目は#5 “Eclipse”。三浦建太郎『ベルセルク』に着想を得た楽曲で、The Band of the Falcon(鷹の団)やGodhand(ゴッドハンド)といったワードを散りばめながら、〈蝕〉をなぞるストーリーを描く。ヘヴィな展開の合間に顔を出す流麗なリードギターは、AmorphisやSwallow the Sunに通じる深い叙情もたらし、退廃的な世界観をドラマティックに演出している。

続く#6 “Awakened”は八木教広『CLAYMORE』にインスパイアされた一曲。きらびやかなドリームポップ調でスタートし、サビで一気にスクリームが炸裂する構成が爽快で、ダークな傾向の強いアルバムの中に鮮烈なアクセントをもたらす。

ラストはThe Mars Volta Televators”のカバー。Kyle Schaefer(Fallujah、Archaeologist)がゲスト参加し、原曲の内省的なムードを継承しながら、激しいギターと絶叫を重ね、見事にブラックゲイズへと昇華している。

プロダクションもクリアでプロフェッショナル。先駆者たちの影響を自在に取り込みつつ、デビュー作とは思えないクオリティに仕上がっている。AlcestやSylvaine、Shedfromthebodyのファンはぜひチェックを。