Cuspid

Whiplash

Cuspid

Whiplash

  • release date /
    2025-10-15
  • country /
    US
  • gerne /
    Alternative Rock, Dream Pop, Grunge, Nu Metal, Shoegaze, Slowcore
Light
Dark
Soft
Heavy
Clear
Noisy
Slow
Fast
Pop
Extreme

ロサンゼルスと北京を拠点に活動するシューゲイズ・アーティスト、Cuspidのデビュー1st EP。

現時点で明かされているのは、DeftonesとLana Del Reyを敬愛する18歳という情報のみ。そんなミステリアスな新人が、デビュー作にして驚異的なクオリティを見せつけてきた。

ヘヴィなギターと幻想的なメロディのマッチングはWispを彷彿とさせる。しかしCuspidのボーカルはより退廃的で深みがあり、楽曲も全体的にダウンテンポかつヘヴィで、まるで海の底へ沈み込むような深いメランコリーが堪能できる。その点では、むしろGraywaveやSlow Crushに近いだろう。もしWispに「もう少しダークさが欲しい」と感じていたリスナーがいるなら、本作はまさに理想的な作品だ。

#1 “Debris”では、轟音ギターが空間を切り裂くように唸りを上げ、霧のようなボーカルが虚ろに響く──その対比の美しさに思わず息を呑む。#2 “Floor 12”では、不穏なアルペジオを散りばめながらゆったりと進行し、終盤に向けて徐々にボリュームを上げ、一気に哀しみを解き放つ。続く#3 “Flyaway”の繊細なイントロへとシームレスに繋がる展開も秀逸だ。ラストの#4 “Whiplash”はスロウテンポでメロディを丁寧に紡ぎ、深い余韻を残して幕を閉じる。全4曲、もれなく名曲レベルだ。

今後の期待も含め、当サイトのAOTY本命候補にノミネート。Wispに続く次世代のシューゲイズ・アーティストとしてぜひ抑えてほしい。現時点でのSpotifyの月間リスナーは3桁(680)だが、今後の推移に注目だ。