Orchid Mantis

Possession Pact

Orchid Mantis

Possession Pact

  • release date /
    2025-04-25
  • country /
    US
  • gerne /
    Ambient, Dream Pop, Indie Pop, Slowcore
Light
Dark
Soft
Heavy
Clear
Noisy
Slow
Fast
Pop
Extreme

アトランタを拠点とするローファイ・ドリームポップ・アーティスト、Orchid Mantisの13thアルバム(※Spotify準拠)。

Orchid Mantisは、シンガーソングライターのThomas Howardによるソロ・プロジェクト。これまでローファイでノスタルジックなインディーポップ/アンビエントで多くのリスナーを夢見心地にしてきましたが、本作では作風を大きく変化させ、Low、Bedhead、Codeineといった90年代の陰鬱なスロウコアにフォーカスしています。

深いリバーブをまとったギターの音色は、宵闇にしたたる雨音のよう。そして削ぎ落とされたノーツの間から、Thomasの歌声が幽霊のように浮かび上がります。過去作が「草原でウトウトお昼寝」だとすれば、本作は「目覚めたら深夜の霊安室に安置されていた」くらいのギャップ。全編に渡って冷たくも甘美なメランコリーが満ちていて、じっくり落ちていきたい時にぴったりです。

イチオシは#4 “All The Passing Days”。葬送曲のような物悲しいメロディが、美しい思い出たちを静かに灰へと還していく。どの曲も徹底してスローテンポなので、人によっては平坦で退屈に感じるかもしれませんが、ボーカルものとインストがうまく配置され、ほどよい起伏が楽しめる点も好印象。

アートワークの時点でただならぬ雰囲気がありましたが、想像以上の変化で大興奮でした。2025年のドリームポップAOTY筆頭候補!