
路傍の石
alternative mick
路傍の石
alternative mick
- release date /2025-01-19
- country /Japan
- gerne /alternative-rock, emo, grunge, post-rock, shoegaze,
ボカロPとバンド、2つの顔を持つ東京発のアーティスト・路傍の石の7thアルバム。
前作『Pater Noster』ではブラックゲイズ/ポストブラックメタルにフォーカスしていましたが、本作では一転してエモ、グランジ、シューゲイズ、ハードコアなどを融合したオルタナティブ・ロック色の強い作風になっています。
ここではダークシューゲイズ好きにおすすめの2曲をご紹介します。
#4「僕は彼女の幽霊を見た」
冬の冷たさをまとったサッド・シューゲイズ。愛する人を失った哀しみが、心に凍傷のような痛みを刻みつける。Whirrの『Sway』が好きな方に特におすすめ。
#5「生きていてごめんなさい」
路傍の石史上、最もダークな楽曲のひとつ。自罰的なセリフが延々と綴られる中、突如として悲痛な絶叫が放たれ、儚い歌声と重なり合いデプレッシブ・ブラックメタル級の希死念慮を撒き散らす。絶叫はおそらくミクさんの声を加工したもので、『深淵に心在りて』などでも使われていましたが、これほどエグいものは初めてではないでしょうか。ボーカロイドも工夫次第でここまでの感情表現ができるとは驚きです。
ただし、あまりにも暗いため、気分が落ち込みやすい方や感受性の強い方はくれぐれもご注意ください。私も元気がないときにうっかり聴いてしまって闇に呑まれそうになりましたが、咄嗟にぼっちちゃんの電子音めいた悲鳴に脳内変換して難を逃れました(笑)
なお本作の翌月には、早くも8thアルバムがリリースされ、さらに6/17にはバンド形式での初音源も公開。創作への貪欲な熱意に頭が下がります。
今回レビューを書くにあたって、比較のために過去作もすべて履修したのですが、どれも素晴らしかったです。そろそろライブで体感してみたいですね!