REVIEW

フィラデルフィアのシューゲイズ・バンドSlideの1stアルバム。

重厚なギターをぶちまけ、スローテンポでじわじわと闇へ沈める終末系ヘヴィシューゲイズ。ギターは砂嵐のようにノイジーで、荒々しくうねりながら襲いかかるも、歌声は幽玄かつ甘美というギャップが魅力。最近のニューゲイズ系は音がドライで、浮遊感や陶酔感が足りないな〜と感じている人にもおあつらえ向きです。

#3“Only”と#4“Stay”は、ドゥームゲイズ化したWhirrのようで特にオススメ。一方、スローで陰鬱な曲ばかりでなく、#6“Mirror”のような疾走感のあるエネルギッシュなナンバーもあったりと、アレンジの幅も広く、2020年結成の若手とは思えない完成度。

本作以降に公開されたシングルも粒ぞろいなので、次のアルバムも期待できそうです。Holy FawnやSOMが好きな人は、早めにチェックしておくが吉！