
Enola
Commit Death
Enola
Commit Death
- release date /2024-09-02
- country /Indonesia
- gerne /ambient, doomgaze, doom-metal, post-metal, shoegaze, sludge
インドネシアのスラバヤ発シューゲイズ・バンドEnolaの2ndアルバム。
現在の編成はAdi Fikri (Dr/Vo)、Ayis (Gt)、Dwiki (Ba/Vo)の3ピース。ハードコアバンドWar FightersのメンバーだったAyisが2人を招き、2019年に結成されました。
美しく壮大だった1stアルバム『Does Anyone Else』から一転、本作『Commit Death』では、死・失恋・欲望・後悔といった重厚なテーマで、よりダークな世界観を追求しています。
開幕の#1 “Light That Never Goes Out by Mariusz Lewandowski”は11分越えのインスト。歪んだギターが葬送の鐘のように延々と鳴り響き、死出の旅を想起させる。
続く#2 “Darak (Vicarious Trauma)”は、ヘヴィなギターリフが波のように押し寄せるスローテンポな陰鬱ドゥームゲイズ。ギターの反復の合間に儚げなクリーンのアルペジオや、幽霊のような虚ろな歌声が浮かび上がり、息苦しさからふと解放されたような気分になるが、その歌声は甘美な毒を帯び、心をじわじわと蝕んでいく。
重轟音をバックに繊細なクリーンボーカルと残忍なスクリームが交錯する#3 “Infernal”。女性ボーカルが闇の中に妖艶な花を咲かせる#4 “Repent”。歪みを抑えて幻想美を打ち出した#6 “Lambda (λ)”、#7 “Lambbda”など、いずれもスローで退廃的ながら、緩急と奥行きに富み、緊張感が途切れない。
そしてラストを飾るのは、美しいピアノバラード#8 “I Will Never Recover”。曲調からして幸せな結末を迎えたのかと思いきや、歌詞に「私は暗い場所にいたのではなく、私自身が暗闇だった」と書かれていて愕然。最後に訪れたのは救いではなく、自らが絶望の源だったという衝撃の事実。いやー、最高の鬱エンドですね……!(号泣しながら万歳三唱)
ポストロック〜スロウコアの繊細な叙情美と、ドゥームゲイズ〜ポストメタルの重轟音を巧みに融合した力作。東南アジアにこれほど私好みのバンドがいたとは盲点でした。SpotlightsやHoly Fawn、Chelsea Wolfeなどが好きな人は要チェキです!
あと、彼らがType O Negativeをリスペクトしているところも個人的にグッときました(Facebookでピーター・スティールの命日を悼む投稿がシェアされています)。じっくり聴いてみると、October RustやBloody Kissesに通じるゴスっぽさを感じるんですよね〜。#2なんて特に。まあ思い込みかもだけど(笑)
Enolaは2025年に大規模なアジアツアーを敢行予定。それに伴って来日公演も決定したそうなので、詳細が分かり次第、サイトにも掲載します。私もできる限り足を運ぶつもりです。対バンはPresence of Soul、SAYOUTEN、herveilなんていかがでしょうか? その筋の関係者の皆さ〜ん!?