REVIEW

Matthew BonderによるソロプロジェクトBLAKSWANの1st EP。名義は、ダーレン・アロノフスキーの映画『ブラック・スワン』に由来しています。

Bonderは、インストゥルメンタル・マス／ポストロック・バンドOf Two Mindsでドラマーを務めている人物で、本プロジェクトではラップを武器にHipHop系の楽曲を展開しています。しかし本作には、HipHopの合間に突如として1曲だけシューゲイズが収録されています。それが#5“Stomach”。

本人の言葉を借りれば“Gothic Deftones”＆“Dark Shoegaze”。重厚なギターリフをバックに哀しみと怒りをまとったボーカルが炸裂し、胸が張り裂けんばかりの慟哭が襲ってきます。特に終盤のピックスクラッチからラスサビへなだれ込む展開のカタルシスは凄まじく、トワイライト風の退廃的な映像美もあいまって、一気に心を持っていかれました。もしリリース当時に出会っていたなら、間違いなく昨年のベストチューンに挙げていたと思います。

他の楽曲はラップ中心で、サイトの本筋からズレるため詳細は割愛しますが、いわゆるエモラップ系でなかなかかっこいいです。ギターを取り入れたロックテイストの楽曲も増えており、またシューゲイズをやってくれる可能性もありそうです。ダークシューゲイズオタクは今後の動向に注目ですYO!